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オスプレイ配備は原発再稼動と同じ構図

7月24日(火) 
 オスプレイ問題は野田政権の外交・安全保障政策が極めて場当たり的で、国民の安心・安全に目をつぶった米国に追従するスタンスを浮き彫りにした。
 沖縄配備が予定される米海兵隊の垂直離着機MV22オスプレイ12機が23日、米軍岩国基地(山口県)に陸揚げされた。持ち込みに反対する抗議の声が響く中での陸揚げだ。既にオスプレイ配備に反対する声は全国に広がっている。なぜこの時期の持ち込みなのか?野田政権から聞こえてくるのは「抑止力としての日米同盟の強化」だけで、墜落事故が続くオスプレイの安全性についての具体的な説明はほとんどない。

 周知のとおり、野田首相は「米国の方針に、日本がああしろこうしろと言う話ではない」と、オスプレイ配備に対する国民の不安、疑問にまともに応えようとしない。この日も政権のスポークスマンである藤村官房長官は「安全性を確認されるまで飛行運用はない」と語るだけだった。
 今や、いわく因縁のあるオスプレイの沖縄配備は、単なる普天間飛行場の老朽機CH46の後継機などと言って済まされず、その危険性は全国的な問題になっている。
 米軍は岩国基地に陸揚げしたオスプレイを整備、試験飛行した後で沖縄に移し、10月から本格運用を始める。日本国内でどんなに反対運動が高まろうが、米軍は沖縄配備・運用計画を見直す考えはないし、野田政権も型どおり「安全性の確認」を待つだけで、高まる一方の国民の声に応えるような具体的な動きをしそうもない。
 安全性を確認できないまま米側の方針を受け入れる野田政権の姿勢は、未曾有の被害をもたらした福島第一原発事故の検証も不十分なまま、関西電力大飯原発の再稼動を決めたやり方と同じ構図である。
(つづく)

        
 米側の計画によると、オスプレイの訓練飛行は全国に6ルートあり、月に2~3回ほど沖縄から岩国基地に移動、各ルートを使って飛行訓練を続ける。6ルートは米軍のF18A型機やAV8Bハリアー機の飛行訓練空域だが、オスプレイの訓練の3割は夜間から未明にかけた時間帯で、地上150メートル程度の低空で行われる。敵地侵攻想定の低空飛行の危険性は最新戦闘機の比ではない。
 オスプレイは普天間飛行場に配備されるが、全国を股に掛けて飛び回ることになる。その意味ではオスプレイの事故の危険は全国に広がるわけで、沖縄で顕著な基地問題が全国規模となる、いわゆる「本土の沖縄化」の具体的な前例となるだろう。

 野田首相はオスプレイの沖縄配備について多くを語ろうとしない。先の6月の「慰霊の日」の戦没者追悼式では沖縄に寄り添う言葉を県民に語りかけながら、一方で「国の安全保障に万全を期すことは国政を預かる者の務め。その責務はわずかなりともおろそかにすることはできない」(24日付琉球新報社説)と語っている。
もはや首相の頭では、沖縄基地は日本の安全保障の「公共財」として固まっていると言っていい。オスプレイ容認は、そうした考えの延長線上にある。オスプレイ配備で沖縄米軍の機動力が強化され、強大化する中国の軍事力や北朝鮮情勢の不測の事態に対応する態勢が強化されることは間違いないが、そのためにオスプレイの危険性を脇に置いていいわけはない。
 沖縄県の仲井真知事は、もしオスプレイが配備されて事故が起きたら「沖縄にあるすべての基地の撤去を求める動きが表れる」と率直な警鐘を政権に伝えている。同盟関係や安全保障が国民の理解の上にあらなければならないことは当たり前の話だ。オスプレイ問題は、この常識を欠いている。「安全性を確認するまで飛行運用はしない」というものの、米側は10月からの本格飛行訓練開始を決めている。
 野田政権は独自の安全性確認をすると再三語るが、膨大なカネと開発時間をかけたオスプレイには軍事機密が多い。その壁を乗り越えて日本側が安全性を確認できると考えるのは甘すぎる。結局、米側が用意するデータ、資料で確認するのがオチであろう。米国に明快な物言いができない野田政権の限界である。
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Re: タイトルなし

> 財政不安を抱えるアメリカにとってみれば、オスプレイをなんとしても配備しなくてはならないと言う思惑も見えて来ますね。
コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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尾形宣夫。
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☆「運命の島 オキナワ」=副題「幸せは珊瑚礁の彼方に」(文芸社)
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1942年宮城県生まれ。
1967年中央大学法学部卒業。
共同通信編集委員室編集長・論説委員、編集委員室次長・論説委員を経て2002年11月定年退社。元共同通信社客員論説委員。
日本自治学会理事。政策情報誌元編集長。分権型政策制度研究センター(RCD)委員。
分権ジャーナリスト会(東京)。神奈川県鎌倉市在住。





(2011年8月10日~)


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