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これが沖縄の現実だ

2013年8月6日(火)

 5日午後、沖縄本島北部の米海兵隊基地キャンプ・ハンセンの演習場内に米軍ヘリが墜落した。

 折しも、普天間飛行場へのMVオスプレイの追加配備が始まったさなかでの事故である。

 沖縄県民の怒りがまたまた噴き上げた。

 安倍政権も米側に事故の詳細を報告するよう求めた。

 事態を重視した米軍は予定したオスプレイの配備を一時見合わせた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130806-00000004-mai-pol

 墜落事故発生はテレビのテロップで流れた。次いで報道各社は次のような事故の第一報を伝えた。

 「米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)によると、5日午後4時ごろ、沖縄県宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン内の山林に嘉手納基地所属の救難用ヘリコプターHH60が墜落、炎上した。防衛省に入った連絡では、乗員4人のうち3人が脱出し、1人が行方不明。3人のけがの有無も分かっていない。沖縄県では米海兵隊が垂直離着陸輸送機オスプレイの普天間飛行場(宜野湾市)への追加配備を進めている最中で、事故は普天間飛行場の名護市辺野古への移設にも影響する可能性がある」(毎日新聞5日夜電子版)

 事故発生直後、沖縄ウオッチャーとして長い経験のある私の頭をよぎったのは、

 「まさか、オスプレイが墜ちたのではないか…」だった。

 もし、そうならばオスプレイの追加配備は中止、配備済みの撤去問題が現実となる。

 考え過ぎだと言われるかもしれないが、今回の墜落事故はタイミングとしても「最悪」だったからだ。

 事故機はオスプレイではなく米空軍嘉手納基地所属の救難用のHH60だった。

 しかし、これでオスプレイ配備に〝免罪符〟が出たわけではない。

 キャンプハンセンは、本島の中北部に展開する在沖縄米海兵隊の強大な基地である。

 県道104号を挟んだ米軍の実弾射撃は本土の演習場に移転されて行われなくなったが、山原(やんばる)の原生・自然林を使った米軍の空陸の演習は日常的に行われている。

 訓練はあらゆる戦闘の状況を想定した実戦訓練だ。もちろん、実弾が飛び交う。

 今度の事故では地元住民が言っているように、米軍ヘリの訓練は地上数十メートルの低空飛行が当たり前である。

 キャンプ・ハンセンに隣接する金武町、宜野座村、恩納村の上空は訓練飛行ルートだから、いつ事故が起きても不思議ではない。
 事故は山中の訓練場の中だったが、事故現場から2~3キロには宜野座村の住宅地がある。

 日本政府は米軍に事故原因が分かるまで事故機と同型の飛行中止するよう求めた。

 今回の事故でまたも明らかになったのは、日本側に事故捜査、調査の権限が及ばないことだった。

 理由は在日米軍の運用管理にを規定する日米地位協定が壁となった。

 現行地位協定3条は米軍に対して基地内の警察権を認めているため、日本当局が自由に基地内に入って捜査することはできない。今回の事故現場はそれに当てはまる。

 米軍に絡む事件・事故についてはこのほか地位協定17条の扱いが問題になっている。

 17条は基地外でも米軍に警察権を認めており、これが続発する米兵に関係する事件・事故の処理をあいまいにするケースが多い。施設外でも米軍の「公務」には、日本側は立ち入れない。

 その典型的な事例が2004年8月、米軍ヘリが宜野湾市の沖縄国際大学構内に墜落、炎上した事故だ。

 同大学は普天間飛行場に隣接する。事故機は宜野湾市内の民間住宅が密集する地域を蛇行しながら墜落した。

 民間地域での大事故だから日本側の警察・消防は即座に現場に急行したが、米軍は日本側を現場に立ち入らせなかった。
 結局、日本側は事故捜査、検証もできなかった。

 理由は日米両政府は、「日本の当局は米軍の財産について、捜索、差し押さえないしは検証を行う権利を行使しない」ことで合意しているからだ。
 沖縄国際大に墜落した米軍ヘリは、まさしく米軍の「財産」ということである。日本側は手も足も出せない。

 キャンプ・ハンセンの墜落事故で、山口県岩国基地に一時駐機しているオスプレイの普天間への追加配備はどうなるだろう。

 米側は配備を若干ずらしても予定通り普天間に移駐させる方針を取りやめることは考えられない。
今回の事故とオスプレイ配備は別問題だとして追加配備を完了させる方針だが、沖縄県民の反発は行き着くところまで来てしまった感がある。

 沖縄県の仲井真知事が急きょ上京した。事故原因の徹底究明とオスプレイ配備の中止を求めるためだ。

 「沖縄の負担軽減」の裏をかくようなオスプレイ配備で県民を怒りにかきたてたが、
米軍ヘリの墜落事故は普天間問題を一段と深みに追い込んだようだ。

 オスプレイの有用性は極めて政治的、戦略的な位置づけだ。
 
 だが普天間問題の現実は、沖縄の地政学的論拠だけでは片付かない社会政策としての住民の生活との兼ね合いをどうするかではないか。

 基地問題を網羅した沖縄問題は、沖縄の将来像、位置づけを見直さなければならない時期に至っていることを示しているのではないか。

☆参考
「運命の島 オキナワ」=幸せは珊瑚礁の彼方に(文芸社)※アマゾン、楽天ブックス

http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%BE%E5%BD%A2-%E5%AE%A3%E5%A4%AB/e/B009PAT28C


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Author:gatayann
尾形宣夫。
ジャーナリスト。世の中の様々な出来事を簡潔な言葉でまとめた日記です。タイトルは肩ひじ張らずに「ありのまま記」としました。

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本Webは私の2本のブログに続くものです。HPはhttp://bit.ly/hxZoUw、オフィシャルサイトはhttp://futenma.dtiblog.comです。あわせてお目通しをお願いします。

☆「運命の島 オキナワ」=副題「幸せは珊瑚礁の彼方に」(文芸社)
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%BE%E5%BD%A2-%E5%AE%A3%E5%A4%AB/e/B009PAT28C

1942年宮城県生まれ。
1967年中央大学法学部卒業。
共同通信編集委員室編集長・論説委員、編集委員室次長・論説委員を経て2002年11月定年退社。元共同通信社客員論説委員。
日本自治学会理事。政策情報誌元編集長。分権型政策制度研究センター(RCD)委員。
分権ジャーナリスト会(東京)。神奈川県鎌倉市在住。





(2011年8月10日~)


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