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道筋見えない福島の汚染水対策

6月23日(月)

 東電福島第1原発事故の汚染水対策「地下水バイパス計画」による地下水の海洋放出が始まってから1カ月が経過した。

 これまでの放出量は計約6800トンに上る。

 計画では1~4号機建屋に1日約400トン流入する地下水量を100トン程度減らすはずだったが、今のところ建屋周辺の地下水の水位にほとんど変化はない、という。

 建屋に流入する地下水の量に変化がないようでは、何のためのバイパス計画なのか、となる。

 地下水バイパスは、1~4号機建屋の周囲の地中を凍らせる「凍土遮水壁」と汚染水に含まれる放射性物質を除去するALPSと呼ばれる多核種除去設備とともに国と東電が汚染水問題の抜本策としているものだ。

 凍土計画もトンネル工事のような1時的、短期間ならともかく、長期間にわたる場合の効果には多くの疑問が指摘されている。

 ALPSのトラブルも続いていた。

 汚染水からトリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除く設備がALPSだ。

 今年2月に初めてALPSのA、B、Cの3系統が同時運転を開始したのだが3月中旬、汚染水中の炭酸塩を取り除くフィルターで不具合が発生して3系統が次々と停止した。

 改良型フィルターに交換する作業を進めた結果、これまでにB系統とA系統で運転を再開、昨日になってようやくC系統の運転再開にこぎつけたが、現在は試運転の状態で本格稼働のめどは立っていない。

 つまり、汚染水対策は何一つ想定どおりに機能していないのである。

 科学的、技術的な問題は素人の国民には分からないが、

 国や東電の専門家の対策がこんな状態だから、大震災から3年余も経ちながら汚染水対策はいまだに、対処療法の域を出ていないということだ。

 ところが、こんな状態なのに国は原発再稼働方針を強調するだけだ。

 原発事故の検証が不十分どころか、次々と表れる事故対応のズレを引きずったまま成長戦略の名の下に再稼働が独り歩きしていいのか。

 東電は今や自主的に経営ができる企業ではない。かつてのリーディングカンパニーの面影はない。

 安倍政権は問題解決に国が前面に立つと言うが、エネルギー基本計画に示されたように、原発は重要電源としての位置づけは変わっていない。

国が責任を持つということは、必要な資金は国民の税を使うということだ。

 残念ながら、福島第1原発の事故処理は気の遠くなるような時間と費用を要するだけで、現時点では福島の再生の道筋は見えてこない。

政治判断に自信を持てるか

3月22日(木)
 政府の原子力安全委員会は週内にも関西電力大飯原発3、4号機の評価を検証するが、焦点は首相や関係閣僚がどう政治判断をくだすかである。野田政権は目の前に迫った「原発ゼロ」を心配し再稼働を容認する方向だが、果たして科学・技術的にも検証が不十分なまま福島原発事故の教訓を脇に置いて、再稼働という「政治判断」をしていいものか、大いに疑問がある。疑問どころか、「何を血迷っているのか」と言いたい。
 原発が想定される災害にどれ程の耐性があるのかを検査するのがストレステストだ。災害は起きてみないと分からないから、テストは可能な限りのデータをインプットして、それに原発施設がどれくらい十分な防御能力を備えているかをコンピューターを使って被害耐性を計算する。それがストレステストといわれるものだ。
インプットするデータは、科学的知見を可能な限りそろえるが、しょせんは過去のデータを基にしながら、考えられる限りの自然条件の変動要因を加えながら、被害規模をシュミレートするしかない。「3・11」の脅威は、今でこそ通用しなくなったが「想定外の自然災害」という認識で自己責任を回避した。
 だが「想定外」で片付けられるほど問題が単純でなかったことは周知のとおり。大体、想定外などという言葉自体、人間が自分の能力の限界を考えない、極めて無責任な判断基準でしかない。自然が持つ想像を絶する破壊力がどんなものであったか、私たちはこの1年間、嫌というほど見せ付けられたし、専門家の分析、評価、検証がいかに頼りないものであったかもよく分かった。
 つまり、専門家と自任する〝識者〟は、国民が分かるような的確な指摘ができなかったという事実である。
(※)全文は「徒然日記」http://futenma.dtiblog.com
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Author:gatayann
尾形宣夫。
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☆「運命の島 オキナワ」=副題「幸せは珊瑚礁の彼方に」(文芸社)
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%BE%E5%BD%A2-%E5%AE%A3%E5%A4%AB/e/B009PAT28C

1942年宮城県生まれ。
1967年中央大学法学部卒業。
共同通信編集委員室編集長・論説委員、編集委員室次長・論説委員を経て2002年11月定年退社。元共同通信社客員論説委員。
日本自治学会理事。政策情報誌元編集長。分権型政策制度研究センター(RCD)委員。
分権ジャーナリスト会(東京)。神奈川県鎌倉市在住。





(2011年8月10日~)


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