FC2ブログ

首相は災害対応の先頭に立て

8月22日(金) 

 広島土砂災害の被害が拡大、安倍首相の災害対応への批判が高まっている。
 災害発生、ゴルフ、別荘戻り。首相にとってはせっかくの夏休みだったのに、山梨の別荘から首相官邸に行ったり来たりの往復だ。手際よく災害対応をしたものの、別荘に取って返したことが仇になったようだ。
 「上手の手から水が漏れる」ということわざがある。名人も思わず失敗をするという例えだが、安倍首相に当てはめることが適当なのか。少しばかり違うようだ。
 広島土砂災害は行方不明者がさらに増え、50人を超えた。もっと増える可能性が高いという。安倍首相は20日、夏休みを過ごしている山梨の別荘から急きょ帰京、災害対策の指示を連発した。森首相らとのゴルフを途中でやめ首相官邸に戻ったのだが、プレーを始める前には既に甚大な被害連絡は入っていた。それでも、プレーは始まった。
 官邸の菅官房長官から「急を告げる」連絡が首相の下に届いたのは、プレーが始まって間もなくだ。1時間後、首相はプレーをやめた。「これはまずい」と思ったのだろう。東京に取って返した。官邸危機管理官からの報告、各省庁への連絡、協力体制の指示、古屋防災相の現地派遣を決めた。
 この一連の対応に問題はない。さすが手際いい、と言ってもいい。ただ、問題はこの後だ。首相は同日夜、山梨の別荘に取って返した。手配は済んだ、後は様子を見ようと思ったのだろうか。翌日、JR東海の葛西敬之名誉会長らと懇談した後、また官邸に取って返す。9日から2週間の予定で取っていた夏休みを、週末を待たず打ち切ったのである。
 マスコミは首相の異例の長期夏休みを「自信の表れ」と褒めちぎった。20日のゴルフ中止も、災害対応のため「ゴルフを途中でやめて官邸に戻る」と好意的に報道した。だが、その日のうちに別荘に戻ったことについては、報道各社は何の疑問も示さなかった。
 後からは何とでも弁解できるが、首相の動静を淡々と報じたことに間違いはないのか。ぶら下がり記者の連絡に何も反応しないデスクもデスクだが、1人でも「別荘に戻っちゃっていいのかな」ぐらいの疑問を持たなかったのだろうか。それとも、「十分指示を出したし、せっかくの夏休みなんだから楽しんだ方がいい」と思ったのだろうか。
 事態が動いたのは野党が首相の別荘戻りを「信じ難い」「無責任」と批判したことに始まるが、決定的だったのは、両陛下が軽井沢静養を中止したことだろう。両陛下は広島被災の大きさと、西日本一帯の豪雨禍の拡大を心配し、この夏の静養をすべて取りやめた。
 山梨の別荘に戻った首相が両陛下の静養中止を知らないはずはない。首相周辺は言及しないが、首相がまた帰京、夏休みを打ち切った裏には、こうした事情働いたことは間違いない。 (つづく)

続きを読む

プロフィール

gatayann

Author:gatayann
尾形宣夫。
ジャーナリスト。世の中の様々な出来事を簡潔な言葉でまとめた日記です。タイトルは肩ひじ張らずに「ありのまま記」としました。

訪問者、大歓迎です→
社会・経済ランキング

本Webは私の2本のブログに続くものです。HPはhttp://bit.ly/hxZoUw、オフィシャルサイトはhttp://futenma.dtiblog.comです。あわせてお目通しをお願いします。

☆「運命の島 オキナワ」=副題「幸せは珊瑚礁の彼方に」(文芸社)
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%BE%E5%BD%A2-%E5%AE%A3%E5%A4%AB/e/B009PAT28C

1942年宮城県生まれ。
1967年中央大学法学部卒業。
共同通信編集委員室編集長・論説委員、編集委員室次長・論説委員を経て2002年11月定年退社。元共同通信社客員論説委員。
日本自治学会理事。政策情報誌元編集長。分権型政策制度研究センター(RCD)委員。
分権ジャーナリスト会(東京)。神奈川県鎌倉市在住。





(2011年8月10日~)


最新記事
リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
普天間飛行場の辺野古移設
最新記事
最新コメント
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
検索