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「通常の取材」とは?

12月15日(日)

 特定秘密保護法案の国会審議が紛糾していた頃、


 「知る権利」をめぐって「取材」に重大な制約が掛かるのではないかとの懸念が強かった。

 これに対して政府は「通常の取材は罰則の対象にならない」と再三明言した。

 当時、秘密法担当相だった森雅子の答弁が二転三転したのは、にわか仕立ての担当相で答弁ができず顰蹙を買っただけではなく、取材という仕事とはおよそ無縁の彼女が、自信たっぷりに言う「通常の取材」とは一体何なのかということが問題だった。

 彼女の答弁は、事務方の官僚の言葉を鸚鵡返しに答弁したに過ぎないことは明らかだった。

 取材の修羅場を長年経験してきた立場から言うが、通常の取材」なという概念はない。

 あえて言うなら、当局が用意する「発表」を横並びで聞いて、これを記事にするぐらいと思えばいい。

 調査報道や、独自ネタを求めて潜行する取材などは、「通常取材」などとは言わない。

 取材経験が豊富な記者は通常取材などは相手にしない。せいぜい経験の浅い若い記者に任せる。

 政府がまことしやかに口にする「通常取材」とは、率直に言うと「当局にとって都合のいい」ものばかり、あるいは発表の類のものと思えばいい。

 当局の発表に飽き足らず、その中に潜む「ニュース」を掘り出す取材は、時として当局を困らせることが多い。

 つまり、通常取材なるものは、取材に身を置く者にとって面白味が全くないということだ。


 自民党No2が特定秘密に指定された秘密の報道は「抑制されるべきだ」と言ったと思ったら、直後にこれを撤回した。

 ところが当人は翌日の民放のラジオ番組で今度は、

「報道の自由として報道する。でも大勢の人が死にましたとなればどうなるのか。処罰の対象ではないからいいんだということになる」

 と、またも強気に報道に自制を求めた。
 
 No2は安全保障問題に精通した論客だ。

 だが、彼が例示したような「大勢の人が死ぬ」ような情報とは一体何なのか。

 おそらく、テロや戦争を前提にしたような極秘情報を指しているのだろう。
 
 そんな極秘の極め付けのような例を持ち出して、

 「だから自制が必要」だと言うのは飛躍しすぎる。

 NO2に親しい知人も言っているが、万事について論理的で慎重なはずの本人とは思えないような言い分である。

 冷静で論理的なNo2がそこまで踏み込む理由を解せない。

 多数党となって衆参両院のねじれを心配しなくてもいい状況となって口が滑ったわけではない。

 ならば、慎重居士が豹変した理由は何なのか。
 
 ポスト安倍の有力と見られる永田町のささやきが、本人を変身させてしまったのだろうか。
 
 これは本人に聞いても分からないだろう。
 
 
プロフィール

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Author:gatayann
尾形宣夫。
ジャーナリスト。世の中の様々な出来事を簡潔な言葉でまとめた日記です。タイトルは肩ひじ張らずに「ありのまま記」としました。

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☆「運命の島 オキナワ」=副題「幸せは珊瑚礁の彼方に」(文芸社)
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1942年宮城県生まれ。
1967年中央大学法学部卒業。
共同通信編集委員室編集長・論説委員、編集委員室次長・論説委員を経て2002年11月定年退社。元共同通信社客員論説委員。
日本自治学会理事。政策情報誌元編集長。分権型政策制度研究センター(RCD)委員。
分権ジャーナリスト会(東京)。神奈川県鎌倉市在住。





(2011年8月10日~)


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